野菜不足の解消や生活習慣病予防、ダイエットなど様々な効果が期待でき、今や健康食品の代名詞ともいえる青汁。
効果に加えて、ドラッグストアやコンビニなどでも購入でき手軽に摂取できるメリットがある一方で、飲み合わせに注意が必要な医薬品・誤った飲み方をすることによる副作用などのデメリットもあることはご存知でしょうか。
身近な健康食品であるため、しっかりと把握しておく必要があります。
今回は青汁の摂取における注意事項など解説し、効果的な摂取量・飲むタイミングなども紹介していきましょう。
青汁に副作用はある?
青汁は身体に良い物といっても、やはり飲みすぎは副作用の原因になります。最も報告が多いものに胃腸障害(便秘・下痢・食欲不振など)があり、青汁に特に豊富に含まれる食物繊維の過剰摂取が原因とされています。さらに、皮膚乾燥・頭痛・しびれ・口内炎・心血管疾患(高血圧・不整脈など)なども報告があり、これらは体内に蓄積されやすい脂溶性ビタミン(A・D・E・K)やミネラル(カリウム・リンなど)の過剰摂取により引き起こされるものになります。そのため、摂取目安量を守ることはもちろんのこと、普段の食事や併用するサプリメントの栄養素なども考慮し、摂取量を減らすなど調節することも大切になります。
また、目安量の摂取を守っていてもアレルギー症状を引き起こす恐れもあり、発疹・痒み・息苦しいといった症状がみられる場合もあるため、原材料などもしっかりと確認する必要もあります。
青汁との飲み合わせで注意が必要なものは?
飲み合わせで最も注意が必要なものとして、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓塞栓症の治療または発症予防に用いられる抗凝固剤ワーファリン(成分名ワルファリンカリウム)があります。青汁に多く含まれているビタミンKがワーファリンの作用に拮抗してしまうため、治療効果に悪影響を及ぼしてしまいます。ワーファリンを服用する場合は、医師・薬剤師に青汁の摂取を止めるように必ず指導されます。
また、高血圧症に用いられるACE阻害薬(タナトリル・レニベースなど)やARB(オルメテック・ミカルディスなど)との飲み合わせは、それら薬剤が腎臓からのカリウム排出を抑制する作用を持つため、青汁の摂取が例え過剰ではなくても血中のカリウム値が上昇してしまう恐れがあり、風邪・抜歯・膀胱炎など様々な用途で用いられる抗生物質のうちニューキノロン系(クラビット・ジェニナックなど)・テトラサイクリン系(ミノマイシンなど)との飲み合わせは、青汁がそれや薬剤の吸収を阻害し効果を減弱させてしまうため、いずれも避けることが望ましいとされています。
青汁を飲んではいけない人は?
含まれるミネラルのうちカリウムやリンの過剰摂取は動脈硬化や心停止の要因となり、それら栄養素の体外への排出を行っている腎機能が低下している方の青汁の摂取は勧められていません。特に腎不全患者や人工透析を行っている方は極力摂取しないように指導されます。また、ホウレンソウなどに多く含まれるシュウ酸の過剰及び継続摂取は尿路結石症の主要因とされており、1度発症した方や予防している方の摂取は勧められません。
ただし、制限は病状の進行具合などによっても異なるため、上記疾患の治療中に摂取を希望している方は医師への相談を、摂取している方は報告を忘れずに行いましょう。
結局一日どれくらい飲んだらいいの?
青汁は“食品”であるため、医薬品のような明確な用量や上限量が定められているわけではなく、パッケージに記載されているのは、あくまでも目安量になります。目安量は、国内製品の場合は、各メーカーが厚生労働省が行っている「国民健康栄養調査」「日本人の食事摂取基準」の栄養素の摂取状況・推奨量・上限量などを参考に、独自の調査や研究なども踏まえて決定しており、同種類であっても製品によりその量は異なります。また、1回1~2錠、1~2包といったように用量に幅があるものも少なくありません。
基本的には、毎日の摂取を継続するのに無理がない範囲で、記載通りの目安量を摂取することで問題ありませんが、生活習慣・体調・飲める量など人それぞれ異なるため、まずは最小量を摂取し、徐々に増量することで“自分の適量”を見つけてもよいでしょう。
効果別にベストなタイミングは?
飲むタイミングや回数も摂取量同様、明確な用法として定められておらず、1日1~2回を目安にといった記載があるものや、回数はなく1日の摂取目安量のみを記載しているものがあります。よって1日の目安量内であれば、いつでも又は1回でも数回に分けて飲んでも良いものになりますが、実は青汁には効果別に適したタイミングがあります。
野菜不足解消や栄養素摂取が目的
野菜不足解消や栄養素摂取を目的としている場合は、起床後もしくは朝食時がおススメです。睡眠時にエネルギーが消費されていることで、朝はいわゆる飢餓状態になっているため、栄養の吸収効率が非常に高くなります。
ダイエットや生活習慣病予防を目的
ダイエットや生活習慣病予防を目的としている場合は、食前で、特に糖質・脂質の多い夕食時がおススメです。食物繊維は体内での糖質や脂質の吸収を抑えてくれる効果があるため、血糖値が上がりにくい・脂肪がつきにくい状態に傾けてくれます。また、食物繊維が水と混ざり合い膨らむことで満腹感を得られるので、食べ過ぎなどを予防できます。
便秘解消が目的
便秘解消を目的としている場合は、昼間がおススメです。栄養素が穏やかに吸収されるため、夜や翌朝の便通に繋がってくれます。就寝前の摂取も勧められますが、直前はトイレが近くなったり、お腹が緩くなるなどで、睡眠の妨げになる場合もあるため、就寝2~3時間前などにしても良いでしょう。
美容を目的としている場合、夕食時がおススメです。肌や髪の再生は夜中に行われるため、その時間に必要な栄養素が吸収・活用されるように摂取すると効率的です。夕食前に摂るとダイエットにも適しているため一石二鳥になります。
まとめ
いかがでしょうか。意外と青汁も奥が深いです。ただ、最も大切なことは長く継続的に摂取することであるため、摂取することにストレスを感じないように、主要な注意事項はしっかりと把握し、飲み方は1つのバリエーションとして参考にしてみてください。気楽に楽しく続けましょう。